shoryu51のウルトラマンレビュー

『ウルトラQ』から始まるウルトラシリーズのレビューを書いていくブログです。

「悪魔ッ子」 『ウルトラQ』制作第3話

「悪魔ッ子」
ウルトラQ』制作第3話
1966年6月19日放送(第25話)
脚本 北川杏子(原案:熊谷健)
監督 梶田興治
特技監督 川上景司

 

悪魔ッ子 リリー
身長 120cm
体重 不明
東洋大魔術団の少女リリーが何度も催眠術をかけられた事でシナップスを破壊されて肉体から精神が分離した存在。夜な夜な無邪気に笑いながら辺りを徘徊して事件を起こしていく。
肉体のリリーを汽車で轢き殺そうとするが超短波ジアテルミーを受けて肉体へと戻された。

 

「リリーは悪魔ッ子ではなかったのです。もし悪魔がいたとすれば、それはリリーの中にではなくて、それを取り巻く周りの世界が歪んでいたからです」

 

初期の『ウルトラQ』は『UNBALANCE』と言うタイトルで、アメリカで製作された『トワイライトゾーン』や『アウターリミッツ』のようなSFドラマを目指していたので、今回のような怪獣が出ない話もいくつか作られた。

 

今回の話は催眠術によって肉体と精神が分離したとなっているが、これは解離性同一性障害、いわゆる多重人格を示していると思われる。

 

肉体のリリーが無表情であまり動かないのに対し、精神体のリリーは無邪気に笑って辺りを徘徊すると言ったように肉体のリリーが出来ない事をやっていった。最後も肉体のリリーが望んでいた「山に住んでいると言われた母親に会いに行く」を果たそうとしていたと考えられる。
精神体のリリーが肉体のリリーを母親に会わせる方法が「汽車に轢かれて死ぬ」だったが、ひょっとしたら、リリーは父親の嘘を見抜いていて実は母親はいない事に気付いていたのかもしれない。

 

父親赤沼はリリーは生まれつき催眠術が必要な特異な体質と説明していたが、これは逃げであったと言える。他にも赤沼はリリーの母親の事を隠したりと問題に蓋をしていた。しかし、赤沼のその対応が逆にリリーと言う存在のバランスを崩して恐るべき悪魔ッ子を生み出す事になってしまった。

 

変身」に登場した毎日新報の杉本カメラマンが今回の話で死亡してしまう。てっきり準レギュラーキャラだと思っていたので今回の退場は驚いた。

 

今回の話はエンディングのナレーションが初回放送と再放送とで違っていて、再放送では「一体、子供が犯罪を犯すものでしょうか? それも天使のように純真な子供が…。しかし、子供がその環境によって脳組織のバランスを破壊された時、完全な犯罪者となりうるのです」となっている。初回放送は悪魔ッ子を生み出した周りの大人達を、再放送は純真な子供の中に眠る悪魔ッ子を強調した内容となっている。

 

今回の話は熊谷さんが「座敷童子」を基に原案を作り、それを北沢さんが脚本にした。
現在の北沢さんは出版社の代表を務めて性教育や性差別に関する活動を行っている。

 

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