shoryu51のウルトラマンレビュー

『ウルトラQ』から始まるウルトラシリーズのレビューを書いていくブログです。

「五郎とゴロー」 『ウルトラQ』制作第7話

「五郎とゴロー」
ウルトラQ』制作第7話
1966年1月9日放送(第2話)
脚本 金城哲夫
監督 円谷一
特技監督 有川貞昌

 

巨大猿 ゴロー
身長 50m
体重 1万t
「エテキチ」と呼ばれる五郎に育てられた猿が野猿観察研究所に保管されていた青葉くるみを食べ過ぎた事で甲状腺ホルモンのバランスが崩れて異常発育した姿。
警察に連れて行かれた五郎を追って街に降りたところを眠り薬入りのミルクを飲まされて眠りに就いた。その後はイーリヤン島に送られたらしい。
キングコング対ゴジラ』のキングコングの着ぐるみを『いまに見ておれ』用に改造したものが使われている。

 

イーリヤン島の大猿
身長 50m
体重 1万t
「島の守り神」としてイーリヤン島の島民と共存している大猿。由利子はゴローと同じく日本軍が残した青葉くるみを食べて巨大化したのではないかと推測した。

 

「エテキチ!」

 

円谷英二監督も大きな影響を受けた怪獣作品の原点『キング・コング』の流れを引き継ぐ巨大猿の話。
猿は人間と似た動きをするので巨大であってもどこか親近感が湧いて可愛いと感じる部分がある。

 

今回の話に見え隠れするのが「差別」で、ゴローと言う「怪獣」と五郎と言う「社会から弾かれた存在」を同一視している。この捉え方は後の『ウルトラマン』の「まぼろしの雪山」や『帰ってきたウルトラマン』の「怪獣使いと少年」等でも繰り返される。
変身」で浩二は巨人である時は人間の言葉を失い、元に戻ると再び人間の言葉を使えるようになったが、今回の話に登場する五郎は周りの人々と同じ言葉を使えないが口笛を使って猿とは会話が出来るとされ、周りの人々には蔑まれていたが猿の五郎とは心が繋がっていたとなっている。
興味深いのは日本では五郎もゴローも「社会から弾かれた存在」とされているのに対し、イーリヤン島ではゴローと同じ大猿が島民と共存していると言う事。ゴローを「怪獣」と呼ぶのは日本と言う一地域での話であった。
ゴローはイーリヤン島では幸せに暮らせるだろうと言う結末だが、本編ではイーリヤン島に送られた後の幸せな部分は描かれず、事情を知らされない五郎が日本の街でただただ悲痛な叫びを上げるところで終わっている。

 

今回のオープニングはゴローのシルエットが登場している。この演出は『ウルトラマン』以降のオープニングに引き継がれていく事となった。

 

ゴローが巨大化した原因は脚本では「ヘリプロン結晶G」と言う薬品であったが『ウルトラQ』のスポンサーが武田薬品になったので薬品ではない「青葉くるみ」へと変更された。

 

今回の話から特技監督円谷英二監督の弟子で東宝有川貞昌監督が参加している。

 

今回の話は後に『ウルトラQ ザ・ムービー 星の伝説』と一緒に劇場で上映された。

 

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