shoryu51のウルトラマンレビュー

『ウルトラQ』から始まるウルトラシリーズのレビューを書いていくブログです。

「1/8計画」 『ウルトラQ』制作第8話

「1/8計画」
ウルトラQ』制作第8話
1966年4月24日放送(第17話)
脚本 金城哲夫
監督 円谷一
特技監督 有川貞昌

 

1/8人間
身長 人間の1/8
体重 人間の1/8
全てを現在の1/8に縮小すると言う国の人口対策によって作られた人間。1/8人間は市民番号を与えられてSモデル地区に住む事となる。Sモデル地区では国民の三大義務が免除される代わりに以前の生活との繋がりを全て断ち切られる事になる。

 

「帰ってちょうだい! 私はもうあなた達とは違う人間になってしまったのよ!」

 

ゴジラウルトラマンが有名なので「特撮」と言えば「巨大なもの」を作るイメージがあるが『モスラ』の小美人や今回の話の1/8人間のように「小さいもの」を作る事も出来る。

 

見慣れた物が巨大に見えてしまう事で1/8人間になってしまった由利子を異質の存在と描く一方、Sモデル地区に入り込んだ万城目と一平が巨人と言う異質な存在に見えるように描くのが面白い。

 

変身」では巨人になってしまった者を異質な存在としているが今回の話では小人になってしまった者を異質な存在としている。
今回の話では170cmほどの万城目達を「普通」としていて、20cmほどの由利子を「異質」としていたのだが、最後のナレーションで「古い記録によると、巨石文化時代の人類は身の丈18m、身の幅が5mもあったと言う。現在の人類はいつから、そして誰の手によって、どういう理由で小さくなったのか」と語られ、実は170cmほどの「普通」の人間も本当は何者かによって縮小された「異質」な存在だったのかもしれないとしている。「普通」や「異質」と言うのはそれが多数か少数かによって決められる。由利子が言うように「皆が小さくなれば結局は同じ事」なのだ。
今回の話によって、「変身」で巨人になる事が「異変」とされていたが実は巨人になる事は「元に戻る」事だったのかもしれないと言う解釈も出来るようになるのが面白い。

 

もし、かつて18mだった人間を1/8に縮小した理由が人口対策だった場合、結局は人間は増えすぎて窮屈な世界になってしまったので、今回の国が進める1/8計画もいずれ破綻する事が予想される。実際、既にSモデル地区は窮屈な感じになっていたし。

 

1/8計画の関係者は親切丁寧で、太った男やシスターも由利子の願いを聞いてくれると、今回の話には悪人も悪意も無いのだが、それでもどこかに怖さや悪意を感じる。

 

円谷監督は「あけてくれ!」で理想郷を求める人々を描いたが、今回の話ではその理想郷も現実と同じ窮屈な世界となっていた。また、望まずして理想郷にやって来てしまった由利子にとってはそこは理想郷でも何でもなかった。

 

1/8人間になってしまった由利子は以前の生活と切り離されて既に死んだ存在にされてしまった。結局は夢だったのだが、目覚めた途端にいきなり縮小された人間の話を始めた由利子を見て万城目と一平は事故の影響で脳に障害が残ったのではと考える。この場面は万城目と一平は自分達が知る由利子は既に死んだと思ったと見る事も出来て思わずゾッとする。「あけてくれ!」との繋がりで考えると、最後の場面の由利子は心が現実世界に帰っていない存在となっていて、「あけてくれ!」で一の谷博士の研究所に保護されていた女性と同じと言える。

 

今回のオープニングは話の内容に合わせて画面が8分割されると言うものであった。

 

1/8人間になってしまった由利子が皆の所に戻ろうとする道中は『親指姫』を思わせる。

 

今回の話は後に『ウルトラQ ザ・ムービー 星の伝説』と一緒に劇場で上映された。

 

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