shoryu51のウルトラマンレビュー

『ウルトラQ』から始まるウルトラシリーズのレビューを書いていくブログです。

「燃えろ栄光」 『ウルトラQ』制作第18話

「燃えろ栄光」
ウルトラQ』制作第18話
1966年6月26日放送
脚本 千束北男
監督 満田かずほ
特技監督 的場徹

 

深海怪獣 ピーター
身長 20cm~30m
体重 500g~1万5千t
ボクサーのジョーがフィリピンで釣り上げた超深海生物で学名はAlligatortoise。ある特殊なリンパ腺を持っているので温度の変化に応じて体の大きさが極端に変わる。
ビル大山のマリンファンタムショーの練習中に逃げ出し、森の中にいたところを落雷による山火事で巨大化し、ジョーに海に誘導される途中で可燃物の入ったドラム缶を蹴り飛ばしてしまい、そのまま炎の中に消えてしまった。

 

「おい、ピーター、どんな具合だろうな。何ぃ? 3ラウンドで倒すだと? おいおい、ピーター、カワヅはカカシじゃないんだぞ。よし、来た! 3ラウンド!」

 

円谷監督と入れ替わりとなって、助監督だった満田かずほさんがウルトラシリーズ監督デビューを果たす事となった話。パンチで打ち抜いたような場面転換やジョーが姿を消した場面等、凝った演出が見られる話となっている。

 

ボクサーで「ジョー」と言えば1967年から1973年まで連載されていた『あしたのジョー』を思い出す。「ジョー」と言うボクサーは誰かモデルがいるのだろうか?

 

ボクサーとしても活躍してピエロとしても人気者になるとジョーは数多くの才能を持っていたが自分に自信を持てないところがあった。
ジョーはピーターが自分の勝利を予言してくれると話すが、万城目はそれを自己暗示だと分析し、ジョーもそれを否定しなかった。実際、ジョーが世界戦を前に姿を消した本当の理由は目の故障であった。ジョーにとってピーターは一種の「言い訳」だったと言える。ピーターが「勝つ」と言うから自分もそれに乗っかって大風呂敷を広げる事が出来たし、ピーターが「負ける」と言った事を理由に戦わずして世界戦を前に姿を消してしまった。

 

山火事によって巨大になったピーターを見た万城目はジョーに海に誘導するよう告げるが途中でジョーに向かって「戻るんだ!」と叫ぶ。おそらくだが万城目はジョーがピーターと一緒に海に入水自殺すると感じたのだろう。
しかし、ピーターは途中にあった可燃物の入ったドラム缶を蹴り飛ばしてしまい、さらに大きくなった炎の中に消えてしまう。ジョーはピーターへの依存を絶つ為にあえてピーターが炎に包まれるように仕向けたのか、それともピーターが自分の意思でドラム缶を蹴り飛ばしたのか、それとも全ては全くの偶然なのか。真相は不明だが、翌朝、世界戦の立て看板を直すジョーの顔はどこか晴れやかで決意を秘めたものであった。

 

ジョーが世界戦に出たのか出なかったのかは解釈の分かれるところだが、自分は世界戦に出たと考えている。ピーターの神通力による勝利と言う過去の栄光は燃えて無くなり、今度はジョー本人の力と意思による戦いが幕を開けるのだ。

 

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