shoryu51のウルトラマンレビュー

『ウルトラQ』から始まるウルトラシリーズのレビューを書いていくブログです。

「カネゴンの繭」 『ウルトラQ』制作第20話

カネゴンの繭」
ウルトラQ』制作第20話
1966年4月10日放送(第15話)
脚本 山田正弘
監督 中川晴之助
特技監督 的場徹

 

コイン怪獣 カネゴン
身長 2m
体重 200kg
がめつい少年の加根田金男が拾った不思議な繭の中で変身した姿。人の落としたお金を黙って拾うとなってしまうお金の亡者。ご飯の代わりにお金を食べ、胸のカウンターの数字が0になると飢え死にしまう。
おたすけ教の巫女のお告げの通りにヒゲおやじが逆立ちの格好になると人間に戻る事が出来たが…。
名前の由来は「お金」からと思われる。

 

カネゴンつうのはお前、頭は金入れで、体は火星人、目はお金の方へ向いてピョコーンと2本飛び出し、口は財布のジッパーなら、体は銅貨の銅みたいに赤光りする怪物で、ゴジラみたいな尻尾にはギザまで付いてんだぞ~」

 

今回はいつものテーマ曲もナレーションも主人公である万城目達の登場も無い異色な話となった。中川監督作品は不思議世界『ウルトラQ』の中でもさらに不思議な世界を描き出す。

 

鳥を見た」では子供の願いも空しく怪獣は彼方へと去ったが、「育てよ! カメ」では子供と怪獣が共に不思議世界へと旅立ち、今回の話では遂に子供と怪獣が同化した。
怪獣そのものも古代の生物であったラルゲユウスからガメロンや乙姫や怪竜やカネゴンと言った空想的な存在へと変わっていき、それまでの怪獣とは違う「ウルトラ怪獣」と言うものが段々と出来ているのが分かる。

 

今回のテーマはそのままズバリ「お金」で、お金と言う存在にすっかり毒されてしまった現代人を強烈に皮肉っている。なかなかドギツイやりとりもあるのだが、子供達を主役にしたコミカルな雰囲気やカネゴンと言うマスコット的な存在がそれを緩和して難しいテーマを分かりやすく伝えている。

 

金男はガキ大将として威張り散らしていて、他の子供達がバザーを開いてお金を稼ぐのに自分だけは働かずに他人が落としたお金を拾ってせしめている。しかし、その行為が祟ってカネゴンになってしまうと、今まではお金を集めていたのに今度はお金を浪費する事となり、何も出来ず周りに迷惑をかける存在として他の子供達から厳しい扱いを受けるようになってしまう。人間社会の縮図を見ているようだが、子供達が何だかんだ言っても金男の事を最後まで見捨てずに付き合ってくれるのは「友達」だからなのであろう。
金男が人間に戻れる条件が「ヒゲおやじが逆立ちする」であったが、金男はカネゴンになった後も人間に戻る為に積極的に行動する事が無く、他の子供達のお金を求めるばかりであったが、事態が切迫してくると段々と頑張って動くようになり、最後はラッキーもあったが子供達の宿敵であったヒゲおやじを倒すと言う大仕事を成し遂げた。金男が元に戻れたのはちゃんと「仕事」をしたからと考えられる。ヒゲおやじが逆立ちの格好になったのはその仕事の成果なのだ。

 

今回の話で中川監督は『ウルトラQ』から離れた。
中川監督は映画用の35mmフィルムを使いすぎた事で「フィルム食いのハルゴン」とあだ名されたらしい。

 

今回の話にあった「人間と同じ大きさの怪獣が子供達と一緒に街中でドタバタを繰り広げる」と言う展開を元にして『快獣ブースカ』が作られ、山田さんが第1話の脚本を手がける事となった。

 

日本人は皆がカネゴンなのか?
いや、「お金」とは他の動物は持っていない人間のみの価値観である。
人間は皆、カネゴンなのだ。

 

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