shoryu51のウルトラマンレビュー

『ウルトラQ』から始まるウルトラシリーズのレビューを書いていくブログです。

「海底原人ラゴン」 『ウルトラQ』制作第24話

「海底原人ラゴン」
ウルトラQ』制作第24話
1966年5月15日放送(第20話)
脚本 山浦弘靖・大伴昌司・野長瀬三摩地
監督 野長瀬三摩地
特技監督 的場徹

 

海底原人 ラゴン
身長 2m
体重 100kg
2億年前に地球を支配していた海底人。爬虫類が進化したもので卵を産む。音楽に興味を示し、聴いている間は大人しくなる。ゴリラ並みの知能を持っている。
5000mの深海に住んでいるが、地殻の変動によって卵が迷い出たので、探しに岩根島に現れた。海底の圧力に耐える強靱な力で建物を破壊するが、最後は文子の手によって子供を返され、海へと帰っていった。

 

「この石井博士って人がね…」
「もうすぐ日本が海の中に沈むって言う論文を書いて学会から追われた海洋地質学者!」

 

小松左京さんの『日本沈没』を思わせる話。『日本沈没』は1973年に発売されたが執筆は1964年に始められていたらしい。

 

ラゴンは爛々と輝く目が夜の場面に合っていて実に怖い。村のあちこちにふらっと姿を現すのも怖いが、話を見ていくと、実は子供を探す為に地上に現れたとして、怖い怪獣ではない事が分かる。
人間とラゴンは住む世界が違うだけの同じ地球の生き物。ラゴンは地上に現れたので「怪獣」として人間達に怖がられたが、もし、日本が沈没して人間が海底に迷う事になったら、その時は人間は「怪獣」としてラゴン達に怖がられるのかもしれない。

 

石井博士は周りに認められない可哀相な人かと思いきや、自分の考えを強く押し通すあまり周りとの調整が取れないところがある。そこで生じる問題は妹の文子が代わりに頑張っているのだろう。
今回現れたラゴンはメスで子供を探しに現れていた。種族は違っても子を愛する母親の想いは変わらないと言う事だろうか。石井博士はその辺りの愛情表現が下手そうなので、ここは文子の方が適任だったと言える。

 

ウルトラQ』にはウルトラマンのようなヒーローも科学特捜隊のような特別チームもおらず、万城目達は怪獣に対抗する力を持っていないので、今回の話でのラジオの音楽放送を使ってラゴンを誘き出す場面はかなりの緊迫感があった。

 

岩根島が沈没を始めて絶体絶命の危機に陥った万城目と由利子の前にヘリコプターを操縦して一平が現れる。これまでの話で一平の飛行技術が段々と上達していく過程が描かれていたので、それが遂に活躍に繋がったのに感動した。一話完結色が強いと言われる『ウルトラQ』だが、こうして見ると連続性もある事が分かる。

 

今回の話の脚本を担当した大伴昌司さんは日本SF作家クラブとして『UNBALANCE』の企画から関わっている。実際に作品に名前がクレジットされるのは今回の話だけだが、この後も「怪獣博士」と言う肩書きで怪獣の設定を考えたり雑誌に怪獣の図解を発表したりして怪獣ブームを支える一人となった。(因みに『ウルトラセブン』のスペル星人に「ひばくせい人」と名付けたのも彼らしい)

 

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