shoryu51のウルトラマンレビュー

『ウルトラQ』から始まるウルトラシリーズのレビューを書いていくブログです。

「バラージの青い石 -磁力怪獣アントラー登場-」 『ウルトラマン』制作第4話

「バラージの青い石 -磁力怪獣アントラー登場-」
ウルトラマン』制作第4話
1966年8月28日放送(第7話)
脚本 南川龍・金城哲夫
監督 野長瀬三摩地
特技監督 高野宏一

 

磁力怪獣 アントラー
身長 40m
体重 2万t
5千年前にバラージの町でノアの神に退治されたが生き延びていた。磁気光線とすり鉢状の巣を使って獲物を誘き寄せる。
スペシウム光線の直撃にも耐える強豪だが、ノアの神が持ってきた青い石が弱点で、ムラマツキャップの投げた青い石の直撃を受けて倒された。
名前の由来は「アントライオン(アリジゴク)」かららしい。

 

「我々人類にとってウルトラマンは平和の為の大切な神なのかもしれん」

 

飯島監督による初期3話ではウルトラマンの正体は語られていなかったが、今回の話でノアの箱舟を下敷きにしたノアの神と言う存在を出して、ウルトラマンを人類にとって平和の為の神なのかもしれないと定義した。

 

ノアの神はウルトラマン自身なのか別のウルトラマンなのか劇中では明らかにされていない。個人的にはウルトラマンには仲間がいたと言う「さらばウルトラマン」でのゾフィー登場の伏線になったと考えている。
アラシ隊員はノアの神を「ウルトラマンの先祖」と言っているが、ウルトラマンの年齢は2万歳以上なので実は顔見知りである可能性が高い。ここは人間とウルトラマンの感覚の違いとして興味深いところ。

 

エスパーであるチャータムはシルクロードの頃は自分の一族以外にもテレパシー能力を持つ人がいたと言っている。ウルトラシリーズでは宇宙人は色々な能力を使うのに地球人は特殊能力を持っていないのだが、ひょっとしたら、今はその能力の使い方を忘れてしまっているだけで、本当は地球人も他の宇宙人のように超能力を使う事が出来るのかもしれない。実際、『ウルトラマンメビウス』に登場したCREW GUYSのメンバーは人間離れした能力を持っていた。

 

ノアの神に倒されたと思われたアントラーだったが実は生きていた。落下してきた隕石に乗って宇宙に行っていたのかと思ったが、シルクロードの時にもいたので違うようだ。おそらくアントラーはずっとバラージ近辺に現れていたが、アントラーの目撃者は全て殺されてしまったので外部に知られる事が無かった。それが今回の隕石事件で外部から人が来て存在を知られるようになったと言うところかな。

 

ウルトラマンによってアントラーは倒されたが人々の心からバラージの町が忘れ去られるのを止める事は出来ない。今回の話はウルトラマンを神と言う絶対的な存在として語っているように見えて実はウルトラマンと言う存在の限界を語った話でもあったのだ。ウルトラマンは怪獣を倒す事は出来るが人々の心に関わる事は出来ない。

 

ウルトラマンのカラータイマーが点滅したのを見てイデ隊員は「あと30秒だ」と発言。『ウルトラマン』においてウルトラマンが活動できる時間に言及したのはこの場面のみとなっている。

 

今回の話は1966年に公開された東宝三船プロダクション共同制作の映画『奇巌城の冒険』のセットとエキストラを使って作られている。
海外が舞台になり、さらに神話時代の話も出た事で『ウルトラマン』の世界観が一気に広がって奥行きが増した。

 

今回の話の脚本を担当している「南川龍(竜)」は野長瀬監督のペンネームである。

 

今回の話が高野宏一監督のウルトラシリーズ監督デビュー作となっている。

 

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